用意するもの
*石鹸
*スポンジ
*コーム
*タオル
石鹸は「シャボン玉石けん浴用」を使用します。スポンジは泡立ちやすいスポンジがいいと思います。コームはぬいぐるみを洗う前にホコリを落とす為に使用するのと、乾かす際にブラッシングする為に使用します。乾燥には衣類乾燥機を使いましたが、冬場なら暖房で乾くのでなくても大丈夫です。外に干しても大丈夫だと思いますが、乾燥の際には形崩れしないように注意して下さい。
今回洗うぬいぐるみはこちらです。17年前にネットで購入した日本スピッツのぬいぐるみです。2018年に天国へ行ってしまった愛犬スピッツの妹分として大切にしていたぬいぐるみです。
愛犬が寅次郎という名前だったので、妹分という事で「サクラ」と名付けました。愛犬の名前の由来は「男はつらいよ」の寅さんから頂戴しました。
愛犬と共に過ごしたサクラ。思い出と共に汚れも蓄積されています。17年間一度も洗っていないので、真っ白だったと思われる毛並みは見る影もなく黒ずんでしまいました。ぬいぐるみを洗うのは難しそうですが、綺麗だった17年前の姿に戻れるよう洗ってみます!
石鹸について
(シャボン玉石けん公式サイトより画像引用)
(シャボン玉石けん公式サイトより画像引用)
今回使用する石鹸は、シャボン玉石けんの「シャボン玉浴用石けん 」(純石鹸分99%の無添加石鹸)です。「シャボン玉石けん」は、香料、着色料、エデト酸塩(EDTA-4Na)などの酸化防止剤、合成界面活性剤は不使用であり、昔ながらの釜炊き製法・ケン化法で作った無添加石鹸です。
石鹸の歴史は古く、今から約5000年前、起源前3000年前頃まで遡ります。動物の肉を焼く際に滴り落ちた肉汁(油脂)と薪の灰(アルカリ分)が化学反応を起こして生まれたものが「石鹸」の始まりといわれています。
その化学反応が起きた場所が、古代ローマにある「サポー(Sapo)」という丘でした。石鹸(soap)という名前の語源は、そのサポーからきているそうです。
現代は様々な合成洗剤が溢れています。天然素材を原料とした石鹸と違い、合成洗剤の原料は石油です。合成洗剤は、第一次世界大戦中のドイツで開発されました。石鹸の原料である油脂が欠乏し、石鹸製造ができなくなり、そこで開発されたのが石油から作られる合成洗剤AS(アルキル硫酸エステルナトリウム)でした。
日本では、1937年(昭和12年)に、ウール用中性洗剤として初めて発売されました。
第二次世界大戦中には、石油を原料にしたABS(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)という合成洗剤が開発されました。戦後の石油化学の発展に伴い、アメリカではこのABSにリン酸塩を加え、家庭用の合成洗剤を発売、電気洗濯機と共に急速に普及し、アメリカでは1953年に合成洗剤の使用量が石鹸の使用量を上回りました。
原料が安く、短期間で出来る合成洗剤。日本でも同じく電気洗濯機の普及と、更にテレビコマーシャルの効果もあり、1963年(昭和38年)に合成洗剤の使用量が石鹸の使用量を上回りました。
(シャボン玉石けん公式サイトより画像引用)
歴史は短いものの、合成洗剤は、あっという間に様々な環境問題や健康被害を生み出しました。敏感肌の人には刺激が強く、肌荒れやアトピー、アレルギーの原因になりました。人体に影響があるということは、環境にも良くありません。自然界に存在しない成分で製造された合成洗剤は、海に排出されても分解される事は難しく、自然界や生物の生態系にも悪影響を及ぼし、最終的には我々に返ってくるでしょう。
(シャボン玉石けん公式サイトより画像引用)
石鹸の主成分である「脂肪酸ナトリウム・カリウム」は、微生物で分解されやすい性質があり、下水処理場や河川でほぼ100%分解され、この物質が河川や海を汚染する事はないと、研究結果が出ているそうです。加えて、脂肪酸は、生物を構成している天然の有機化合物という事ですので、川や海の生物が食べれば栄養源にもなるそうです。
大昔から使われていた石鹸は自然や人間に優しいだけでなく、洗浄力も抜群で、柔軟剤は全く必要ないほど、洗い上がりもふんわりフワフワです。
ブラッシング
洗う前にブラッシングします。17年間蓄積したホコリやゴミを落とします。ぬいぐるみですので、毛が抜けてしまえばもう生えてきません。抜けないよう優しくブラッシングします。
予備洗い
ブラッシングでホコリやゴミを落としたら、いよいよ洗います。本来は品質表示に従って洗濯するべきですが、サクラには品質表示のタグもメーカーのタグもありません。恐らくポリエステルかと思いますが…。
まずはぬるま湯で予備洗いをします。ぬいぐるみの繊維が痛まないよう、37℃のぬるま湯で洗います。
石鹸で洗う
予備洗いが終わったら、石鹸で洗います。スポンジで石鹸をよく泡立て、その泡で洗います。
ゴシゴシと力任せに洗うのではなく、包み込んだ泡で汚れを浮かすように洗います。毛が抜けないよう、繊維を痛めないよう、毛並みを意識して、表面や毛の裏側からも汚れをかき出します。
濯ぐ
一通り洗い終えたら、濯ぎます。
汚れが落ちた証拠に洗面器のお湯が黒く濁っています…。こんなに汚かったのか。
洗いと濯ぎを繰り返す
濯いでみてまだ汚れ残りがあるようなら、汚れに応じて洗いと濯ぎを繰り返します。今回は汚れを落とす事を最優先にしたので、かなり念入りに洗いました。17年間の汚れは手強いです。
ぬいぐるみを丸洗いするのはあまり勧められていないようです。この洗い方は自己流ですので、あくまでも参考程度にご覧下さい。
押し濯ぐ
汚れが落ちたら、洗面器のお湯が綺麗になるまで濯ぎます。
中に浸透した石鹸を洗い落とすように、ぬいぐるみを押し濯ぎます。洗いも濯ぎもしっかり行うのがベストですが、形崩れしてしまっては台無しですので、やり過ぎないよう慎重に行います。
お湯が透き通ってきましたので、これで濯ぎも完了です。
しぼる&タオルドライ
形崩れしないように水気を絞ります。
乾かす前にタオルで水気を吸い取ります。押し当てるように水分を吸収させる。
水分を吸収させるようにタオルドライする。
かなりしっかり洗ったので、汚れ残りもなく、以前の白さが蘇ってきました!
ブラッシング&乾かす
乾いた時に毛が固まらないよう、綺麗なコームでブラッシングしながら乾かします。衣類乾燥機があると、ブラッシングしながら乾かせるので便利です。
ある程度乾いたら、ブラッシングに専念します。毛が抜けないよう、毛の根本を押さえながら行います。
うちのワンコをシャンプーしていた頃を思い出します。ワンコが若い時はペットサロンでシャンプーをお願いしていましたが、歳をとってからは自宅でシャンプーしていました。毛が多かったので、乾かす時が大変でした。
乾かす
毛の表面はだいぶ乾いてきましたが、毛の内側はまだ湿っています。ブラッシングが完了したら、あとは自然乾燥させます。
ドライヤーで乾かしたり、外に干しても良いと思いますが、冬だったのでそのまま暖房の下に置いて乾かしました。
仕上がり&まとめ
どうでしょうか?17年前の純白の姿が蘇りました!石鹸のみで洗濯しましたが、汚れもしっかり落ちて、洗い上がりもふんわり!フワフワの毛並みに生まれ変わりました。
見違えるように綺麗になったサクラに天国のワンコも驚いてるかな?汚れはすっかり消えましたが、ワンコと過ごした思い出はいつまで消えないでしょう!「お兄ちゃん、アタチキレイになったわよ🌸」
*今回使用した石鹸はシャボン玉石けん公式サイトでも購入可能です。
動画
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