海のホテル一の滝さんへのアクセス
源泉掛け流し100%の温泉巡り第6弾。今回は和歌山県紀伊勝浦にある、南紀勝浦温泉「海のホテル一の滝」さんへ行ってきました!南紀勝浦温泉へのアクセスは、東京からだと東海道新幹線で名古屋駅まで向かい、その後特急「ワイドビュー 南紀」で紀伊勝浦駅まで向かいます。今回はJRの往復割引と乗り継ぎ割引を利用して切符を購入しました。
名古屋駅を8時05分に出発する「南紀1号」に乗車する為、6時台の新幹線に乗ります。
7時40分、名古屋駅に到着。関西線乗り場へ移動し、特急「ワイドビュー 南紀」に乗り換えます。
往復割引とは?JRでは片道601Km以上ある場合、「行き」と「帰り」の運賃(乗車賃)がそれぞれ1割引になります。東京から紀伊勝浦までも距離的には対象になりますが、特急南紀が走る区間の中で、JRではない第三セクターの伊勢鉄道区間が入る為、その分は計算されません。往復割引を適用させるには、紀伊勝浦駅よりも先の駅まで乗車券を買う必要があります。今回は紀伊田原駅まで買うことで、往復割引が適用されました。
乗り継ぎ割引とは?東京から名古屋、名古屋から紀伊勝浦までは新幹線と特急列車を利用します。その場合JRでは、乗り継ぎ割引というサービスを利用することができます。乗り継ぎ割引では、特急券が半額になります。乗り継ぎ割引も往復割引も、切符をまとめて買う必要があります。詳しくはみどりの窓口にてご確認下さい。
ワイドビュー南紀は4両編成で、名古屋から紀伊勝浦方面(下り)では、進行方向1番前から4号車、3号車、2号車が指定席。2号車の半分はグリーン車。1番後ろの4号車が自由席です。※2020年9月の時点です。2020年11月より編成が変わりました。
進行方向1番前は、ワイドビューの名前の通り前面展望を楽しめます。
車内販売はありませんが、自動販売機はあります。
通常のトイレと、多目的トイレ。
通常の洗面所と多目的用の洗面所。
自由席は1番後ろのなので、過ぎ去る景色を楽しめます。
また、和歌山県に入ると、進行方向左側では海の景色も眺められます。座席のアルファベットは車両によって変わります。
名古屋駅を8時05分に出発し、約4時間。11時57分、紀伊勝浦駅に到着しました。
海のホテル一の滝さんまでのアクセスは、紀伊勝浦駅から徒歩で15分くらいです。
南紀勝浦温泉とは
もともとは「勝浦温泉」と呼ばれていたそうですが、千葉県の「勝浦温泉」と区別して、「南紀勝浦温泉」と呼ばれるようになりました。
南紀勝浦温泉の始まりは、2つの異なる温泉だったそうです。古くは「磯の湯」や「赤島温泉」と呼ばれていました。「磯の湯」の開湯は弘化以前(1845年)、「赤島温泉」の開湯年代は不明だそうです。現在では「磯の湯」「赤湯温泉」の2つを合わせて「南紀勝浦温泉」と呼んでいます。
1950年(昭和25年)の吉野熊野国立公園指定後、知名度が急速にアップし、観光客が急増しました。昭和30年代には新婚旅行先としても人気になり、大繁栄したそうです。
お宿のご紹介
温泉巡りでいつも参考にしている本です。今回もこちらの本を参考にしました。この本によると温泉旅館13500軒中、源泉100%の宿はたったの1%しかないそうです。こちらの本が2016年発売ですので、現在では状況が変わってしまった宿もあるかもしれません。以前行った温泉宿では高温ゆえに加水をしている所もありました。生まれたままの源泉を壊すことなくベストな状態でお客に提供することは、自然の恵みと宿の方の血の滲むような努力がなくては出来ません。湯量や高温に苦労する宿であれば仕方ないのかもしれませんが、やはり源泉100%の温泉を求める身としては残念です。
海のホテル一の滝さんには3年ほど前に一人で利用しました。数ある南紀勝浦温泉でも貴重な正真正銘の源泉掛け流し100%の宿です。加水、消毒、入浴剤等、一切ありません。もちろん循環もしていません。源泉温度が低い為、加温されている浴槽もありますが、温泉の成分を壊さない程度の加温だと思われます。
館内、お部屋のご紹介
紀伊勝浦駅から徒歩15分くらいで到着しました。東京からは遠いですが、アクセスは便利で、駅からは歩いて行けるというのは嬉しいですね。
海のホテル一の滝さんは素泊まりプランのみですが、駅周辺には生まぐろを頂ける飲食店がたくさんあります。飲食店のパンフレットは宿で貰えます。
「海のホテル」という名前の通り、建物は海に面していて、広々としたロビーからは海が見渡せます。また、全ての客室からも海を眺められます。
ロビーには無料の観光パンフレットが多数あります。喫茶コーナーとお土産物コーナー、自動販売機もあります。
2階にも海や弁天島を一望できる広々としたロビーがあります。
建物は3階建てで、客室は全部で20部屋あります。エレベーターはありません。
客室は2階の「松風」というお部屋です。
全ての客室から、美しい那智湾と弁天島が見られます。
食事がないので、布団はすでに用意されています。
冷蔵庫、テレビ、金庫等完備。
電気ポットとお茶セット。
Wi-Fiもあります。
アメニティは、浴衣、タオル(無地)、バスタオル、歯ブラシ。箱ティッシュはありませんので、鼻をかむ用のティッシュは持っていった方がいいでしょう。
洗面所も客室にあり、右側の水道からは温泉が出ます。飲泉も可能です。
トイレも客室に付いています。一の滝さんは自家源泉であり、湯量が豊富な為、流す水も温泉です!
バルコニーも付いているので、波音を聞きながら、海の景色に癒されます。
弁天島には白蛇弁天が祀られており、商売繁盛・財運アップなどにご利益があるとのことです。知る人ぞ知るパワースポットだそうです。引き潮にならないと島には行けませんが、宿の大旦那さんから「部屋から手、合わせといたらええわ」と言われました(^。^)
ちなみに弁天島は財務省の持ち物なんだとか…?
浴場のご紹介
大浴場は1階にあります。男女とも内風呂のみです。
大浴場手前には湯上り処があり、海を眺めながら休憩ができます。
湯上り処には温泉分析書が掲示されています。
海のホテル一の滝さんの源泉は2本あります。源泉名「勝浦温泉一の滝」と「一の滝2号」です。「勝浦温泉一の滝」の方は、湧出量は毎分151ℓ。泉温は37.8℃、phは8.8です。
「一の滝2号」は、湧出量は毎分168ℓ。泉温は35.8℃、phは8.9です。
どちらもアルカリ性単純温泉です。
廊下には共用のトイレがあります。
突き当たりが女湯です。
海のホテル一の滝さんでは、日帰り入浴も営業しています。入浴料は大人500円、子供300円で、営業時間は15時〜23時30分まで利用できます。また、海のホテル一の滝さんは毎週火曜日が定休日で、宿泊も日帰りもお休みですのでご注意を!
脱衣所には、カゴと日帰り入浴客用のロッカーがあります。洗面台が4つと、ドライヤーは2台完備されています。
宿泊客が利用できる時間は、チェクインの15時〜24時までと、朝の6時〜9時までです。
こちらが女湯です。洗い場は6つあります。カランはなく、シャワーのみです。シャワーも源泉100%の温泉が出ます。ボディソープとリンスインシャンプーが完備されています。
浴槽は2つに分かれています。向かって左側が温かく、右側は加温されていない温泉です。海のホテル一の滝さんの源泉は2本あり、源泉温度が37.8℃と35.8℃とぬるめですので、2つに分かれた内1つの浴槽は加温されています。ちなみにぬるい方から入浴すると良いそうです。
どちらも加水も循環も消毒もしていない源泉100%の掛け流しの温泉です。冬は少し寒く感じるかもしれませんが、本物の温泉は湯冷めすることなく、身体の芯からポカポカしてきます。ゆっくり入浴できるので、たっぷり温泉を吸収できます。
「究極の源泉宿73」によると、海のホテル一の滝さんが露天風呂を作らない理由は、加温をしたくないから、という理由だそうです。外の気温に合わせる為、人工的に手を加えてしまえば、せっかくの源泉のパワーが半減してしまいます。加温をするには、温泉の成分を壊さないように慎重に調整しなければならないのです。
海のホテル一の滝さんの温泉は飲泉も可能です。飲泉する場合は、ぬるい方の温泉を飲むといいですよ。味はそれほど感じませんが、若干硫黄の香りがします。
泉質はアルカリ性で、効能は神経痛、筋肉痛、関節痛など。その他、胃腸にも良く、癌にも良いそうです。
「左側が温い」とありますが、左側の方が温かかったので、「左側があたたかい」ということでしょうか?
夜は24時まで入浴できます。
女湯は窓も小さく、外の景色はほとんど見えませんが…。
お掃除前にこっそり撮らせて頂きました。こちらは男湯。浴槽は広々、窓も大きく、那智湾や那智の滝がある山々が一望できます。美しい景色を眺めながら入浴できる男湯、男性の方はいいですね!これなら露天風呂も要りません(^.^)
深夜は入浴できませんが、朝は6時〜9時まで入浴できます!
泉質…アルカリ性単純温泉
泉質分類…アルカリ性低張性温泉
pH8.8、pH8.9
湧出量…毎分151ℓ、毎分168ℓ
泉温…37.8℃、35.8℃
湧出状況…動力抑揚
循環、加水、加温なし(一部加温あり)
夕食のご紹介
海のホテル一の滝さんは素泊まりプランのみですので、夕飯は外に食べに行きます。以前は食事付きだったそうですが、外に食べに行くお客さんが多かった為、素泊まりプランのみになったそうです。
食事処は宿の方に相談すると、お食事処マップやおすすめのお店を教えてくれます。
紀伊勝浦といえば、生まぐろです。勝浦漁港は、日本で古くから行われていた延縄漁(はえなわぎょ)として有名で、生まぐろの水揚高は日本一だそうです。年間を通して様々なマグロが頂けます。
宿の方に教えて頂いたお店が、一軒はお休みで、もう一軒は満席だった為、「生まぐろマップ」を参考にお店を決めました。港に近い場所にあった「お食事処 おがわ」にお邪魔しました。
紀伊勝浦では、生まぐろの他、イルカやクジラ料理も有名ですが、やはり生まぐろを頂きたかったので、まぐろ三昧にしました。
お酒は、和歌山の日本酒「太平洋」という生貯蔵酒を頂きました。
生まぐろは全く水っぽさがなく、身が引き締まっていて新鮮で美味しかったです。ワタは日本酒にピッタリで、マグロのカツはお魚と思えないジューシーさでした!
※延縄魚とは?日本で開発された漁法で、一本の幹縄(みきなわ)に針の付いた枝縄(えだなわ)を一定間隔で取り付けた漁具を使います。幹縄の長さは数百メートルや数百キロにも及ぶこともあります。また、延縄魚の浮きとして「ビン玉」が使われていました。
紀伊勝浦の町には、ビン玉のオブジェも色々あります。現在では、ビン玉はプラスチック製の浮きに変わりました。
お昼ごはんのご紹介
海のホテル一の滝さんを10時にチェックアウトした後、朝ごはん兼お昼ごはんを食べに行きました。
宿の方に教えて頂いた「まぐろお食事 竹原」です。純粋に美味しい生まぐろを食べたいのなら、おすすめです!と言われました。3年前にも来たことがありました。地元の方にも人気のお店です。
生まぐろの定食は大きめに切られたマグロがボリュームたっぷりです。玉ねぎのサラダの下には、マグロのタタキが入っていました。
こちらのマグロのタマゴは、竹原さんでしか食べられない一品だそうです。食感は焼きタラコのようですが、魚とは思えない食べ応えがありました。ちょうど焼き立てとのこと、香ばしくて美味しかったです。
ちなみに、昨日のお昼は紀伊勝浦駅前にある「鮮魚創作和食 旨い酒 bodai」で頂きました。こちらはタクシーの運転手さんに紹介されました。チェクイン前に、お昼ごはんを食べる場所を探していた際、「那智の滝まで観光どうですか?サービスしますよ」とタクシーのおじさんに声をかけられました。特に予定がなかったので、そのセールスに誘われ、熊野観光に行くことに…。その様子は次回のブログでご紹介します!
「bodai」さんでは、新鮮生まぐろ刺身定食を注文しました。毎朝仕入れたモッチモッチの生まぐろとのこと、新鮮で甘みもあり美味しかったです!
感想、まとめ
昨夜、宿の大旦那さんに「明日は朝日が見えるで」と言われた通り、今朝はバッチリ水平線から上る太陽が見られました。
弁天島を照らすオレンジ色の朝焼けが綺麗です。3年前に来た時は2日目が雨だったので、朝日を見たのは今回が初めてです。天気が良くなければ見られない、貴重な瞬間に感謝です。
2階のロビーからも観賞。空が狭い都会では、朝日が上る瞬間など絶対に見られないでしょう。
漁港には「にぎわい市場」があります。お土産の購入や飲食もできます。残念ながら火曜日はお休みでした。営業時間は8時〜16時までで、朝食やお弁当などもやっています。
にぎわい市場の近くには足湯もあります。
3年ぶりに来た紀伊勝浦と海のホテル一の滝さん。以前来た時に、ものすごく美味しいお寿司屋さんがあって、今回は温泉の他にそのお寿司屋さんが目的でした。お寿司屋の名前も場所もうる覚えで、宿の方に時間をかけて調べて頂いた結果、そのお寿司屋さんは閉店してしまっていたそうで…。かなりショックでしたが、時間をかけて調べて下さった若旦那さんには感謝です!
海のホテル一の滝さんの大旦那さんは、温泉事情に詳しく、多くの温泉宿は加水をバンバンしていると。また、循環の温泉なんて入れたもんやないわ、と教えて頂きました。確かに「循環」はお湯をリサイクルするわけですから、消毒剤も入れるので、もはや温泉の成分は完全に死んでしまってますよね。
「流しっぱなしの本物の温泉」と宿の案内にもあるように、宿の方が自信と愛情を持って、堂々とお客さんに温泉を提供して下さるので、源泉掛け流しを求めるお客にとっては安心して利用できる宿だと思います。
海のホテル一の滝の「一の滝」ですが、ホテルから那智の滝(一の滝)が見えることから、宿の名前にもなったそうです。帰りに教えて頂きましたが、確かに遠くに那智の滝が見えます!
紀伊勝浦の商店街にあるマグロのセルフ販売所にて、マグロのタタキを購入。帰りの新幹線で頂きました!美味しかった!
紀伊勝浦で買った日本酒です。「くまの那智の滝 純米酒」と「純米吟醸 鯨えびす」。
駅前のお土産物屋で買った真空パックされたマグロと缶詰。
お食事処 おがわ TEL 0735(52)5602
11時〜14時、17時〜22時 木曜日休み
まぐろお食事 竹原 TEL 0735(52)1134
11時〜14時、17時〜21時 不定休 日曜14時まで
海のホテル一の滝
〒649-5334
TEL 0735(52)0080
FAX 0735(52)0082
今回の宿泊費/素泊まり大人1人¥5,500
チェクイン15時/チェックアウト10時
火曜日定休
*税込価格です。
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